人生初の入院 : 12
2015年4月24日
妻と2人で告知を受けた2日後、さっそく入院。
人生初の入院なので戸惑いはあったが、迷いはない。
何年間も1人で悩み続けてきたことの原因がはっきりとし、
進むべき方向が明確になったのだから。
衣類や洗面道具を取りそろえ、
BOOK-OFFで大量に本を買い込んだり
ネットでポータブルTV/DVDプレーヤーを注文したりと、
なかなか忙しい。
つらかったのはギターを持って行けないことで、
入院後様子を見てから、隠して持ち込もうかなどと真剣に悪巧みをしていた。
実際には手術からひと月半くらいは、
体がつらくてそれどころじゃなかったが。
それとギター以上にもっともっと悲しいことがありました。
それは、愛犬プーとのしばしの別れ。
彼にも分かるんですね、
いつもと違ってなんか雰囲気がおかしいなというのが。
家を出る前から、
悲しげな目つきをしてまとわりついて離れないんです。
これにはまいった。
あやうく泣きそうになりました。
10時過ぎにがんセンター着。
入院手続きやらいろんな説明を受け、
左手首に入院患者用の白いリングをつけてもらい、
これでついに本当の入院患者に。
病室は有料4人部屋の窓側で、
部屋ごとに洗面所とトイレが通路側にあり、思っていたよりきれいだ。
インターネットのLANケーブル端子もある。
自分の記憶の中にあるきたなくて薄暗い病室とは違っていて、
病院も変わってきてるのだなと感心した。
食事も想像してた以上においしく、
暖かいものは暖かく、を心がけているとのこと。
手術に備えて、
落ちた体重を少しでも回復し体力をつけて欲しいとお医者さんから言われているので、
舌が痛くて食べるのがつらかったけれど、
昼、夜とも頑張って完食。
夕方になり病室で天井を眺めていると、
明るいうちは考えなかったことが次から次へと浮かんできて、
心細くなったり悲しくなったり情緒不安定。
プーにまた会えるかなあ、などと不吉な思いさえもちらつく。
テレビも見る気がせず、
かといって読書も進まない。
病室を出て、
7階廊突き当たりの窓から
暮れゆく西の空をいつまでも眺めていた。