つらい報告 : 9
2015年4月16日
自分の中では
ほぼ覚悟はできていた。
残された日数が、
短い範囲で限定されるのではないかとも。
しかし、昨日と今日の診察ではそこまではいかず、
「舌癌」であることだけがほぼ確定した。
1週間後の22日に、この2日間で行った種々の検査結果をもって、
より明確な、そして厳しい診断が下されるのだろうな。
しかも女房が同席した場で。
帰路の車中も「グレゴリオ聖歌」が流れる。
昔からこの音楽を聴くと、落ち着くというのでもない、
何か諦観したような気持ちになれた。
夕食の準備をしていた妻に、
とりあえず今日の診断結果を短くできるだけ冷静に伝えた。
「がん」と聞いた瞬間、
妻は泣き崩れた。
そして「いつから悪かったのか」
と厳しく私を問い詰めた。
気持ちを準備する期間が何ヶ月も、いや何年もあった自分に対して、
女房はきのう、今日突然聞いた話である。
そりゃ驚きもするし、怒りもするし、そして取り乱しもするよなあ。
しばらく泣き続け、
そしていくぶん落ち着いてからこうも言った。
「まだこの歳で、未亡人になるのなんか嫌だわ」