tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

またもや ナニをする!! : 1058

11月4日(土)晴 退院して3012日 / 手術から3094日


11月だというのにまだ夏日だなんて
いったいどうなっているのかねえ。


古来から慣れ親しまれてきた季節ごとの風情が、
年々希薄になっていく。
立春、春分、夏至、大暑、秋分、冬至、大寒、、、。
太陽に基づいた二十四節気も、
ここまで自然の有り様が昔とずれてくると
もうそれら言葉の存在の意味を失ってしまうのではないかと思う。



以前から、
12月になったら丹後半島へ一人旅へ出かけようかと目論んでいたが、
急速に熱が冷めてしまった。
昨日の朝ニュースでオーバーツーリズムに関する報道だったが、
「舟屋」で有名な伊根あたりもやはり同様の状況らしい。
もう日本全国どこへ行っても、
スマホ片手にいつまでも場所を独占しつづけるような
傍若無人の観光客であふれかえっているのか。
今年2月の、五島列島への旅を思い立ったときも、
同様の事情で急遽断念したというのに。


私は、
芭蕉や牧水をきどった漂泊の旅がしたい!
人でごった返すあつかましいところへは行きたくないのだ!!


もうほんとうに、
いったい私の旅にナニをする!!!


今夜も酒を吞みながら、
傾向を探り、対策を練る。


むかわり : 1057

10月30日(火)晴 退院して3007日 / 手術から3089日


日中はまだ暑い暑いと嘆いているうちに、
ようやく朝晩本格的に冷え込んできた。
今朝は8度台にまで下がった。
おお、さむい。




今日は敬愛してやまない先輩Tさんの一周忌だ。


1年前の今日昼下がり、
訃報の知らせが届いたときの驚きと悲しみの瞬間が甦る。
思えばこの1年、何かにつけて大きな喪失感を覚えながら過ごしてきた。


人なつこいあの笑顔と野太い声がしばしば思い出される。
豪快な鯨飲ぶりが忘れられない。
馴染みのスナックでママさんの腰に手を回し、
目を閉じて切々と “for you” を歌う姿が懐かしい。


不謹慎だが、とっくに鬼籍に入っている自身の親のことをそこまで思うことはない。
それほどまでにTさんは、今も私の中に鮮烈に生き続けている。



一周忌の別名に「むかわり」という言葉があることを知った。
語源や解釈にはいろいろあり、「身が代わる」から「むかわる」
そして「むかわり」となったとする説も。
とするならば、Tさんはどんなものに「身が代わって」
新しく誕生しているのだろう。
でも、生まれ変わっても、
やっぱりTさんはあのTさん以外にはとうてい考えられない。
きっとあのままに違いない。



褒められることなどほとんどなかった我が人生。
でも、あなたから「いい男だ」とよく言っていただいたこと。
とっても自信になりました。
そしてそのことを大切な思い出としてずっと携えていきます。



Tさん、
改めてありがとうございました。
何年後になるか分かりませんが、
ぜひまた飲りましょう!


           

三千日 : 1056

10月24日(水)晴 退院して3001日 / 手術から3083日


もう10月も終えようというのに、
日中戸外でぞごぞと動いているとすぐに汗ばんでしまう。
車に乗るにもエアコンが要る。
暖かいでなく暑い。


その影響か、山の木々の色づきが遅れ気味のようだ。
猛暑に大雨。そして想定外の災害。
年々自然体系の有り様が一昔前と変わりつつあることが実感され、
10年20年後を思うとなにやらおそろしい。



今日は、退院してから46回目のがんセンター通院日だった。
採血の後、胸部レントゲン、頸部造影MRI、甲状腺・唾液腺エコーと続き、
それから皮膚科、歯科口腔外科、頭頸科の診察。
下道を走って8時半に病院へ着き、全て終わったのが2時半。
ややうんざりしたが、検査結果すべて異常なくヨカッタヨカッタ。
来年4月のCTと上部内視鏡の予約を入れて帰宅の途に就いた。



かなり以前から、
手術から3千日を過ぎればもうほぼ安心してよいのではないかと、
何の根拠もないが自分なりに漠然と考えていた。
5年寛解とはよく言われるが、それから経過すること更に3年だ。
再発転移の心配よりも、年齢的に他の病気の方が気がかりになってきた。



心身ともに苦しかった時に自身が救われたように、
同病で苦しんでおられる方々への、
何らかの励ましと情報の提供になればと思い立って始めたこのブログ。
けれど術後8年半が過ぎ、舌がんに関して書くことがほとんどなくなってきた。
病に関して語るべきことがないのは自分的には幸せなことなのだが、
その一方で、自分がこの舌がんブログ村にとどまり続けることの
「存在理由」が見当たらなくなってきた。
今日も病院からの帰路、そのことを繰り返し思いながらハンドルを握っていた。


このようなとりとめのない思いつきのような独り言を、
恥ずかしげもなく気楽に投稿できるところへ鞍替えすべきなのかと、
術後3000日を越えた今、
ぽつねんとぼんやり思うそこはかとなくさびしい秋の黄昏時。