tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

見果てぬ夢 : 1052

6月26日(月)曇 退院して2881日 / 手術から2963日


2日経った今も
やや放心気味。



土曜日、ひとり息子の結婚式が広島であった。


両家代表お礼のスピーチ。
「8年前に病を得まして、うまく話せません。どうかお許し下さい」
と最初にお断りしてから話し始める。
列席の方々の見守るような温かいまなざしが嬉しかった。


けれど、酒飲み過ぎて考えてた内容が飛んじまった。
やけくそ気味に即興で、
しどろもどろになりながらも、
気持ちは伝わったかと思う。



これで親として、してやれることはほぼ終えた。
大病の後のおまけの人生も、
ありがたいことに大禍なく8年目。
自身のこれからを、どう面白おかしく過ごしていくか。


中島みゆきさんの「ヘッドライト・テールライト」の歌詞が
脳裏に浮かぶ。


 行く先を照らすのは
 まだ咲かぬ見果てぬ夢
 遙か後ろを照らすのは
 あどけない夢
 ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない



終盤戦なれど、
人生まだまだこれから。


         

    

                                                       

田植えの頃 : 1051

6月13日(火)曇 退院して2868日 / 手術から2950日


いかにも梅雨らしい不順な天気が続いているが、
昨日今日のように雨降らず曇天で蒸し暑いだけの梅雨は、
陰気臭くて不快なだけでどうもいけない。


降り続く慈雨、時に梅雨寒。
田んぼを吹き渡る風に雨蛙の鳴き声。
雨に濡れる紫陽花。
そして遠雷。
それらは、田舎に住む者にとって昔から変わらぬ原風景だ。
今年もその大好きな情景が目の前に広がろうとしている。



山中での観光施設の仕事に就いて、
ようやく1ヶ月が過ぎどうにか慣れてきた。
遠く全国からの訪問者との触れ合いも、
一期一会の出会いと捉えて互いのよき思い出としたい。


それにしても、
仕事には慣れつつあるが、
時折出くわすマムシだけにはこれからも到底慣れそうもない。
先週も草の生えた遊歩道を歩いていて
気づかずに踏みそうになって寸前のところで飛び退いた。


まあ、そういう意味ではスリリングな職場で刺激的ではあるけれど。


人生最後の : 1050

5月9日(火)晴 退院して2837日 / 手術から2919日


五月病などとはまったく無縁の環境で
とぼけた顔して日々呑気に過ごしているが、
それでも先のゴールデンウィークの後、
なんとなく憂鬱で気分が優れない、というか優れない気がする。
長年働いてきて、その頃の生体反応とかバイオリズムといったようなものが、
今も尚、体内でくすぶっているのかもしれない。


定年退職してから、
断続的にいくつかパートやアルバイトで糊口を凌いできたが、
昨年12月から今日までの約5ヶ月余りは、
「毎日が日曜」の申し訳ないくらいお気楽な毎日を過ごしてきた。
けれどそういう日々も、
もうそろそろいいかなと思う。


有り体に言えば、
無為無策にすごしていては、
ごはんが美味しくない。お酒も美味しくない。
精神的にも、スパイスが必要だ。
そしてこの歳で恥ずかしいことに、
「物欲の嵐」がいまだ吹き止む気配がないのが情けない。



あさって、木曜が初出勤。
山中に4,50分、分け入った所にある観光施設の管理人の仕事だ。
人里離れて自然に囲まれたところでの仕事は、
精神衛生上たいへん好ましかろう。
いくつまで働くことになるか未定だが、
おそらく、我が人生最後のお仕事になると思う。


汗水流して労働した後のビールは、
体が打ち震えるほど美味しかろう。
そんなことも喜びとして、精一杯励んでみる。