tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

こんなことなら : 807

4月11日(木)晴  退院して1329日 / 手術から1411日


次男プーが逝って3日。


いまだ喪失感和らがず、
ふいにプーの気配感じて、ついその名前を呼んでみるも、
返事なきその空しい響きが、よけいさみしさを募らせる。


奴のよく座っていた座布団に
ひょっとしてその温もりのかけらでも残ってやしないかと、
そっと手のひらを載せてみる。
ばかなことを、、、自嘲。


最もつらいのは、
帰宅のとき。
車を降りたときから、奴の喜びの声が聞こえるようで。
そしてドアのその向こうに、歓喜に打ち震える姿までも目に浮かぶようだ。


好物であったバナナやリンゴが視界に入ることでさえ、
胸がギュッと苦しく、涙腺が緩みそうになる。



こんなことではいけないなと思う。
奴は虹の橋を渡ったのだ。
たくさんの先輩たちに囲まれて幸せなのだ。
奴は奴で、
きっと楽しくやっているはずだから。



でも、
こんなことならいっそのこと、
ワンコなんて好きでなけりゃよかったのにと思う。




コメント欄で、
心のこもった温かい励ましのお言葉を、本当にありがとうございます。
心に染み入っております。
情けないですが前向きなことを書くには、
もう少し時間がかかりそうです。
どうぞ、悪しからず。

ありがとう : 806

4月8日(月)晴  退院して1326日 / 手術から1408日


次男プーが
先ほど虹の橋をわたった。



どこへ行くのもいっしょだった。


つらいとき、苦しいとき
いつも心の支えとなり、癒し続けてくれた。


実際のところ、実の息子以上にかわいがり、
手をかけたかもしれない。



我が家でよかったのかなあ。
お父さんは、
おまえがいちばんだったよ。


いい想い出と、感謝しかないよ。
ありがとう。


一生忘れないからな。


         


でも、明日から、
仕事終わって家に帰ってきても
おまえのしっぽちぎれんばかりに必死で喜ぶお出迎えがないなんて、
ちょっと考えられないな。


胸が押し潰されそうなくらいつらいよ。


橋のたもとで
待っててくれよ。
必ずまた会おうな。



プー、
ありがとう。

四度目の薄桃 : 805

4月5日(金)晴後曇  退院して1323日 / 手術から1405日


終日西風強く、
間もなくその盛りを迎えようとしている薄桃の花びらが
激しく舞い散る。



術後4度目のこの季節を、
何事もなく迎えることができた。



4年前のこの頃、
総合病院の口腔外科を「ある覚悟」をもって受診した。
もう来年の桜はないのだろうなと、
途中、満開の桜の下に車を停め、ぼんやりとたたずんだ。
その時の車中も確か、グレゴリオ聖歌が流れていたはずだ、


 


その数日前には、
今生最後の贅沢を味わおうと
とびきり上等な鮨屋のカウンターに座り、
日本酒と寿司で「最後の晩餐」を気取った。
だが実際は、その頃はもう舌が痛くて食事がままならなくなっていた。



初診の口腔外科の医師が口内を診てすぐに発した言葉、
「舌に悪いものができています」
は予想通りで、自分の中では既定事実そのものであった。


がんセンターへの紹介状を書きますねという
淡々とした医師の言葉が
どこか遠くから聞こえてくる意味のなさない音の羅列のようで、
置かれた状況が何か自分とは無関係のようで、、、。



そのひと月半後に2度、立て続けに大きな手術を受け、
そしていろいろあっての4年後の今。


風に舞う薄桃の花びらを、
元気に眺めていますよ。


ありがとうございます。