tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

私の旅に何をする! : 1040

1月13日(金)曇 退院して2721日 / 手術から2803日


日中はぽかぽかと、
縁側でネコでも抱いて日向ぼっこしていたいような陽気が続いている。
小春日和は初冬の季語であるけれど、
冬本番のよく晴れた穏やかで春のような天気のことを
粋な言葉でどう表現するのだろう。
冬日和というのは聞いたことがあるけれど。



五島列島の教会群巡りを
鼻息荒く熱い思いで企てていたが、
先日ある方から、
五島列島は今、朝ドラの舞台にもなっていて
観光客が多いのではないか、ということを教えていただいた。


なんですって!!
朝ドラを見るという習慣がまったくないとはいえ、
そんなことはまったく知らなんだ。


一気に五島への熱が冷めてしまった。
いとも簡単にブームに乗っかる信念なき観光客め。
いったい私の旅に何をする!


しかしここで「ああそうですか」と、
とぼけた顔して簡単に引き下がってしまったのではあまりに癪だ。


五島がだめなら同じ長崎でも平戸がある。
熊本の天草もあるではないか。
そうだ五島列島以外にも九州には巡るべき教会遺産はたくさんあるのだ。



ここはじっくり神出鬼没の敵の動向を見定めた上で、
慎重に傾向を探り対策を練り直す。


万端整えど、、、 : 1039

1月7日(土)雨後曇 退院して2715日 / 手術から2797日


目覚めたら雨。
久しぶりに雨の音を聞くように思うけれど、
それも早くに止んでしまい、
いつの間にか吹き出した風の庭木を揺らす景色も
いかにも冬らしくて寒々しい。   



近いうちに、
ひとり車で1週間ほどかけて旅に出ようかと思っている。
九州を一回りするつもりだけれど、
いちばんの目的の地は、
遙か以前から行きたいと願い続けてきた長崎、五島列島。
更に言えば、その教会群。


秀吉の「バテレン追放令」に始まる
キリシタン弾圧と迫害を逃れてきた人々が移り住んだ祈りの地。
200年以上もの間、
想像を絶する辛苦を耐え忍びながらも信仰の灯を絶やさなかった奇跡の島々だ。


五島の島々には50を超える教会があるという。
そして、
夕陽の美しさは格別であると。



だが問題は、目下のコロナウィルスの感染状況だ。
第8波で感染者数が膨らむ中、死者も大幅に増加している。
1日の感染者は20万人に達そうかというではないか。
個人的には、
オミクロン株対応の5回目接種も昨年末に済ませ、
日々口から過剰なまでのアルコール消毒にも余念がない。
臨戦態勢はばっちり整っているのだけれど。


ここはもう
終息の声など聞かず実行に移すべきか。


  

鐘を打ち鳴らしつつ : 1038

12月22日(木)曇一時晴 退院して2699日 / 手術から2781日


   けうもまたこころの鉦を
   うち鳴らしうち鳴らしつつあくがれて行く
                                     
                (今日もまた、巡礼者が鐘を鳴らすように                        
                           私も心の鐘を打ち鳴らしながら、あこがれの旅を行く)



若い頃、若山牧水のこの歌に妙に心惹かれたことを記憶している。


そしてこの歳になり先日改めて目にし、
若い頃よりも一層強く惹かれる自分がいることに気づく。



酒と旅を愛し、
人生の悲しさ、寂しさをありのままに晒して歌にした
漂泊の歌人牧水でさえも、
何かに憧れ続けながら旅していたということか。



何かに憧れを抱き続ける情熱は、
老境の入り口にあるが故に更にい思いは強くなり、
今でも決して失ってはいない。


何に対する憧れなのか。
何者に対する憧れなのか。
それさえはっきりとしない茫とした憧れ。


だが、憧れとは
つかめそうでつかめない、
そういうぼやっとしたものなのかもしれない。



これからも
牧水のように、
ナニモノかに憧れを抱き続ける人でありたい思う。