少しだけ真剣に : 1019
4月20日(水)晴 退院して2454日 / 手術から2536日
今日は退院してから43度目の通院日。
5月末で、手術から丸7年になる。
採血、頸部~胸部造影CT、上部内視鏡検査といった諸検査の後、
皮膚科、頭頸科、歯科の診察。
形成外科は、昨年9月の診察を最後に無罪放免となった。
今回の診察でも異状はなくそれはそれで大変喜ばしいのだけれど、
その一方で、
お世話になっていたお医者さんがこの数年でごっそりいなくなってしまい、
なんだか通院する張り合いみたいなものがなくなってしまった。
諦めかけていた命をつなぎ止めていただいたのだから、
思い入れが大きくなるのは当然だ。
先生達にしたら自分のことなど one of them かもしれないが、
こちらにしたら only one の存在だ。
診察の合間に、
4ヶ月もの入院生活を送った7階へと上ってみる。
コロナ禍のせいか通路にも談話室にも人気がなく閑散としている。
見知った看護師の顔もない。
だが、談話室の北に向いた窓から見えるその景色は、
忘れようとしても決して忘れられない懐かしいものだ。
手術前もその後の入院中にも、その硝子窓の向こうの景色を前に、
もうこの目の前に見える場所に自分は戻ることはないかもしれない、
などど悲嘆に暮れる日々があった。
そういや、痛みに耐えられず病室のベッドから這い出し、
深夜の暗い談話室で苦悶しながら町の灯りを眺めたこともあったな。
見慣れた風景が、もう自分とは無縁のもののように思えたものだった。
それがどうだ。
もうすぐ術後7年を無事迎えようとしている。
まさしく、「運が良かった」と言う他ない。
新たに与えられたこの命。
どう生きていくのかを、
ほんの少しだけ真剣に考えてみたくなった。