見上げれば : 1021
5月14日(土)雨後曇 退院して2478日 / 手術から2560日
断続的に数日間降り続いた雨が、朝方ようやく止んだ。
庭の木蓮や檸檬、そして珊瑚もみじの葉が
一雨、日ごとに生い茂っていくようだ。
盛りを過ぎた羽衣ジャスミンの甘い香りが、今日も微かに漂う。
大好きだった芸人さんのあまりにも突然の死は、
いつまでも心の底に暗く重苦しい澱を残すようで。
それが自分と年齢の近しい人であれば尚更だ。
志村さん
そしてその後を追うように
上島さんが。
上島さんについて言えば、
自死すること以外にやりようがなかったのかと残念でならない。
精神を病み、ひどく思い詰めた者にとっては、
その方法しか見えなくなってしまうものなのか。
「おもしろうてやがて悲しき、、、」
と詠んだのは芭蕉だったか。
上島さんの芸人としての人生は、
まさに「おもしろうてやがて悲し」
を地で行くものであったかのよう。
あの喜劇王チャップリンにこんな言葉が。
“You’ll never find a rainbow if you’re looking down.”
上島さん、
顔を上げることさえできないほどに、
心に闇を抱えていたということか。
うつむけば ため息
見上げれば 春風