tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

巨星墜つ : 1031

11月4日(金)晴 退院して2652日 / 手術から2734日


スマホに元の職場の先輩の訃報を知らせるSNS が届いたのは、
この前の土曜日昼過ぎのことだった。


その翌日の日曜に、
家族親族だけでお別れの会をするというので
日が落ちて暗くなった頃に会場へ伺い、
最後のお別れをさせていただいた。
それ以来、先輩との想い出が頭の中を駆け巡り続けている。



他に迎合することなく、
自身の思うところに正直に人生を貫かれた方であった。
上には激しく、そして下には優しくこころ配りされるかっこいい人でもあった。
心から敬愛していたし、誰からも慕われていた。


長身ゆえに、棺の中できつ苦しそうに無言で眠る先輩の顔を眺めていると、
ありし日の諸々が思い出されて胸が苦しくなった。


無類の酒好きで、
週に6日は行きつけの店で鯨飲するという破天荒さ。
いっしょに飲んでは、
知らぬ間に皆の分まで勘定を済ませひとりほかの店へ、
などということも何度あったことだろう。


私のような者のことを
「ほんとうにいい男」だと誰彼になくよく言っていただけたことは、
そのときは気恥ずかしかったが、
今となってはまるで勲章のように思われる。


無宗教で、
「仏さんの弟子にはなりたくない」
との遺言も先輩らしく、お坊さんもいず、当然戒名もない。
祭壇にあるのは、先輩の手による書と絵画。
そして愛して止まなかった飲みかけのウィスキー瓶が。



偉大な先輩の訃報に接して思うことは、
もし自分が逝った後、
人の思い出の中にこんなにも鮮烈に生き続けることができるかと。
先輩の生き様なればこそだ。
我が人生の浅薄さにあきれ返るほかない。



十八番だった高橋真梨子さんの “for you” を歌う姿が目に浮かぶ。
  あなたが欲しい あなたが欲しい
         もっと 奪って 私を
              愛が すべてが欲しい



私の中の大きな星が墜ちてしまった。


                     

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