大切なものは、、、: 1034
12月1日(木)曇 退院して2678日 / 手術から2760日
〈大切なものは、いつだって、目には見えない。
人はとにかく、目に見えるものだけで判断しようとするけれど、
目に見えているものは、いずれは消えてなくなる。
いつまでも残るものは、目に見えないものなのだよ。
人間は、死ねばそれで全てが無に帰する訳ではない。
目には見えないが、
私はいつまでも生きている。おまえたちと一緒に生きている。
だから、私に逢いたくなる日が来たら、手を合わせなさい。
そして、心で私を見つめてごらん。〉
もう大方半世紀近く前の、
若くして亡くなった医師の遺稿集
『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』
の中で著者がフランスの有名な作家の言葉を引用して残した言葉だ。
人が死ぬということは、
その人が無になって遠く離れてしまうことではなく、
生前のその面影や声や笑顔、そして精神が、
忘れられない思い出として残った人の心の中で
「共に生きていく」ことなのだと。
そんなことを取留めもなくつくねんと思う
めっきりと冬めいた師走初日の昼下がり。