tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

手術から満1年 現状 : 129

6月1日(水)晴   退院して283日 / 手術から365日                             


昨年5月26日に20時間の手術。
そして6日後の6月1日、緊急の2度目の手術、13時間。 


その青天の霹靂の緊急再手術から今日で丸1年。


ちょうどの区切りなので、体の現状をまとめてみる。


開口障害
    退院してしばらくは2センチくらいしか開かず、
  にぎり寿司や細巻きさえ噛めなかったのが今では6センチ程度は開き、
  食べ物で噛みつけずに困ることはない。


首から肩にかけてのいたたまれない強ばりと突っ張り
    リンパ節郭清の影響で、
  手術からひと月半ほどは座っていようが寝ていようが
  楽な姿勢というものがなく、つらくてつらくてたまらない状態が続いたが、
  それも徐々に改善されていき、
  毎日のリハビリの効果もあって術後2ヶ月近く経て、
  ようやくどうにもやりきれないようなつらさは薄らいだ。
  ただ、そのつっぱり感自体は今も依然として残っていて、
  それに慣れてしまい今では 苦痛に思うほどではない。


3 首と腕の可動域制限
     退院して2ヶ月くらい(術後5ヶ月以上)までは、
     首を左右に大きく向けられず、
     車のバックがつらいので離合しにくいような狭い道は避けていた。
    
   両腕もリンパ節郭清の影響か、
     前方向は10時くらいまでしか上がらなかったのが、
     入院中のリハビリと退院後も引き続き行った運動のおかげで、
   いつの間にか真上近くまで動くようになった。
     依然として軽いつっぱり感は残っているが
     今では首、腕とも術前とほぼ同じくらいに
動かせている。


喉と左右顎の下、皮弁を採取した大腿部の傷の具合
  左右顎下のリンパ節郭清の傷あとは少しずつ赤みが薄らぎ、
    正面から見る分にはあまり目立たない。
    ただ喉の手術痕はケロイドになってけっこう盛り上がっており、
    自分としては気になるので、
    8月にがんセンターの形成外科で手術を受けるつもりでいる。
    人前でも気兼ねなく思い切って空などを見上げたいので。
  見た目はともかく、どちらも痛みなどはない。
  ただ、かなりのつっぱり感は現在も残っている。


    大腿部は、、、、。喉同様赤みは薄れてきたが、
    これは決して人には見せられない。
    右大腿部外側に、20×15センチくらいの楕円状にひどいことに。
    皮弁採取って、こんなに醜いとになるのかな。
  温泉にも入れんなあ、これでは。
  まあ、ええか。もともと温泉はあまり好きでなかったし。
  歩くと少しつるような感触があるけれど、
  普通に生活している分には筋力が衰えた感もなく、特に生活に支障はない。


5 口内の具合と食べること
    舌亜全摘した口内は、再建舌が口腔底に貼り付けられた状態。
 そして動かない。
 その違和感に慣れるのに数ヶ月はかかったが、今ではなんともない。
 不思議と手術後から痛みはほとんどなく、
 現在はただピリピリとしびれるような感じが少しするくらい。
 神経が通ってないから痛みや熱さも感じないので、
 熱い飲み物などは注意しないと、
 再建舌の皮膚がやけどでただれてしまうことも度々。
 魚の骨もささらないように気をつけないといけない。


 大問題の食べることは、、、。
 贅沢は言えない。
   なんと言っても舌の大部分を切除したのだから、
 下手をすればずっと口からは食べられないことになっていたのだ。
 苦労はしたけども、
 それが今では少し時間はかかるがまったくの普通食を食べられるまでになった。
 以前は食べることにイライラすることもあったが、今はそれもない。
 また、仮に食べられるようになるにしても、
 味を感じるのは難しいだろうと暗い気持ちでいたのが
 なんとうれしいことにそこそこ味がする。
   幸運にもこの「食べる喜び」が残されたことは、
 生きる活力にもつながり、ほんとうに嬉しい誤算だった。


 しっかり口から食べられることは
 心身の回復に大きく影響を与えてきたはず。
 さらに、「おしゃべり」にも関係しているようだ。
 今後もいっそう「食べる力」を鍛えていきたい。


6 話すこと
 食べること以上に大問題がこれ。
   術後40日以上経過してから、
 リハビリの先生の指導のもと発声練習が始まったが、
 あふれでる唾液を処理(飲み込む)しきれずにうまく発声できない。


 面談室を借りて毎日自主練習にも励んだが、
 再建舌は当然動かないし、唾液が邪魔をするわで、
 自分的には進歩が認められずつらい日々を送っていた。


 しかしようやく明るい展望が開けてきたのは、
 術後2ヶ月近く経った頃だと思う。
 あふれ出る唾液を、うまく処理(飲み込む)できるようになってから
 正確な発音ではないにしても、かなり発声できるようになった。
 舌が動かないことと、手術によって唾液さえ嚥下する筋力がかなり衰えていたのが
 ようやく回復してきたということだろう。


 次に進歩を実感したのは、
 8月23日の退院から146日、手術から228日目だった。
 当日の日記には、
  「今日音読練習していてふと気づいた。
   格段にとはいかないけれど、確実に喋りの機能がかなり回復していることに。
   試しに、入院時に面談室を借りて練習に使っていた文を読んでみる。
   全然違う。あの頃は、『これではいかんなあ』と落胆しながら練習していたのが、

   今は『これなら十分通じる』というものを実感しながら読める。
   そういやぁ、当時は次から次に出てくるつばを処理しきれなかったからなあ。
   すべてのことが確実に、回復しつつあるのだな


  それから数ヶ月が過ぎ、
  日々、ちょっとした進歩に喜んだり、あるいは通じなくてへこんだり。
  日々試行錯誤の繰り返し。


  そりゃ少し変な声だ。
  でも今ではゆっくり話せば9割は通じる。
  確実に進歩している。




以上が現状のおおまかなまとめ。
他にも細かいことを言えば不具合は結構あるけれど、
生きることを諦めかけていた人間がよくもがここまで回復したもんだ。
その他はすべて、取るに足らんことです。



 どうか同病同士の皆さん!
 焦らずに長期的展望でとらえて、
  1歩前進、2歩後退。
  念じ続けて頑張ってれば
  時々、大きなジャンプできるかも。


 がむばりませう!!!

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