Evidence [172]
9月3日(土)晴 退院して377日 / 手術から459日
術後1年と3ヶ月。
今のところ順調に過ごせているけれど、
それでもやっぱり、
StageⅣa の進行癌だけに
再発・転移のことは頻繁に思う。
「病理検査の結果が出ました。
奥さんいつ病院へ来る?」
と夜の7時過ぎに病室へ現れたH先生の言葉に、
凍りついたあの一瞬のことは今も鮮明に覚えている。
ちょうど再手術から1か月、7月1日のこと。
以下、診断書より
病 名: 舌癌
術前診断:T4aN2cM0 StageⅣA
術後診断:T4aN0M0 StageⅣA
病理結果:
・摘出標本は6.2×5.0× 2.2と、非常に大きな腫瘍を認めた。
・腫瘍の断端は陰性(切り取れている)。
・浸潤自体はしており進行癌であるが、その浸潤形態は術前の予想に比べ
強くない状態であった。
・リンパ管浸潤、脈管侵襲も認められなかった。
・神経周囲への浸潤は認められた(上記ほどではないが、転移に影響)
今後の治療方針:
・術前に予想された状態よりも、実際には進行していなかった。
・これまでの報告で、追加治療(抗がん剤、放射線治療等)の適応として
確実なものは3パターン。
①断端陽性(癌が残っている状態)
②リンパ節転移陽性で、被膜外浸潤が陽性(リンパ節外にまで腫瘍が浸潤)
③浸潤形態が悪い場合。
今回は上記のいずれにも当てはまらない。
以上の理由から、今回の癌に対する治療は、切除(手術)のみで完了とする。
もちろん進行癌であり、今後再発・転移を来す可能性はある。
しかし追加治療をすることで生存率の上乗せをするデータはない。
追加治療自体に確実に副作用がある。※evidennce(根拠)のない治療はしない
厳重経過観察を行い、再発・転移が出たら治療を行う予定とする。
今はまず、創部の安定を待つ。
自分の中では(先生方も確信していた)、
追加治療は確実に必要であろうという諦めと既定事実があった。
それだけに担当医H先生から説明があったとき、
うれしくて目頭が熱くなった。
生き長ら得る可能性が高まったと。
だだし、進行癌。
ただし、厳重経過観察中。
生かされていることに感謝し
現状に不満を抱かぬこと。
大胆に
そして
細心に。
あれこれ悩むのは1日30分以内!