術後のある光景 : 344
6月6日(火) 晴 退院して653日 / 手術から735日
2度目の手術から10日あまり過ぎた頃。
ようやく本でも読もうかという気になり、
入院中に読もうと準備していた文庫本を手に取る。
だが、
その文庫本を顔の上で30秒と支えられない。
首から肩に至る広範囲が、
尋常でない強ばりと突っ張り感。
おまけに何かの影響で目の焦点が合わない。
文庫本が重くて
読書ができない、、、、。
そこでどうしたか?
写真の通りである。
あろうことか、本のおよそ真ん中あたりの頁で
真っ二つに引き裂くという暴挙に出た。
思えば
精神がまだ完全に正常ではなかったかもしれない。
仰向けの姿勢でその本を顔の前にして読んでいると、
それを見た若い看護士さんが、
「その本どうしたのですか?」
と聞かれたことを思い出す。
その本は
池波正太郎さんの名著。
「食卓の情景」
口から食べられなくなるであろうことを思っての選択であったか、、、。
当時の心境を思うと、
我ながら哀れというか不憫だ。
術後のある光景。