tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

ど真ん中 : 743

11月9日(金)晴  退院して1176日 / 手術から1258日


藤村の「初恋」の次に覚えたのが、
これも有名な
三好達治の「甃のうへ」だった。



    あはれ花びらながれ
      をみなごに花びらながれ
       をみなごしめやかに語らひあゆみ
       うららかの跫音空にながれ
       をりふしに瞳をあげて
       翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
       み寺の甍 (いらか) みどりにうるほひ
       廂(ひさし)々に
       風鐸 (ふうたく) のすがたしづかなれば
       ひとりなる
       わが身の影をあゆまする甃 (いし) のうへ



全体に通奏して流れるこの孤独感と憂愁はどうだ。


春爛漫の光輝く世界の中で、
花の美しさに背を向けるようにひたすら自分の影を見つめ、
もの思いにふけりながら歩を進める。


桜の華やぎにも身をひたすことができないような辛い時があり、
癒しがたい悩みや憂鬱に悶々としているときには、
まわりの華やかさについていけないような淋しさを覚える。



屈折した精神を持て余し気味であった田舎の高校生にとっては、
このもの悲しさと鬱屈は、
心情的にどストライクだった。



まあ、
この歳になっても精神構造の根っこの部分では、
その当時とほとんど変わっちゃいないけんどね。

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