tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

ひとつくらい、いいことないと : 27

2015年6月9日からの数日


緊急手術から1週間を過ぎると、
ノートに簡単な記録ならどうにかとれるようになりました。
判読できないような文字や意味不明な表現も多いのですが、
しんどい中けんめいに書いたのだと思うと
そのきたない記録さえ愛しく、
そしていろんなことが思い出されます。

          


とりあえず、術後4日分くらいを整理しながら見てみると、


6月9日   入院40日 / 緊急手術から8日
個室に戻ってから、
息苦しさなどもあって夜眠ることができず、連日睡眠時間は3時間くらいか。


昨晩新しい入眠剤ルネスタを処方してもらってうまい具合に早くから寝つけかけたが、
発作的に激しい咳込みが止まらずに、
ますます息が苦しくなり結局眠れず。
さっそく当分の間咳止めの薬を処方してもらうことに。
             ※ルネスタはこの日から7/6まで飲み続けることになる。


6月10 入院41日 / 緊急手術から9日
6時起床。寝入ったのは2時前で、何度も目が覚める。


・頭頸、形成外科合同診察 8:30~ 先頭。  
 6人もの先生に囲まれて、びっくり。
 鼻からのファイバースコープと喉の傷の洗浄
 右足ふともも抜糸。やや痛       


・手術の喉の傷が感染し炎症が治まらず、
 抗生物質の点滴開始 計4種類の抗生物質の点滴 
           午前2本、夕方2本、1本1時間                      
            ※抗生物質の点滴はこの日から6/23まで継続されることになる。


・首から肩にかけての強ばりがいたたまれないほどつらくて、
 じっとしていられないのでベッドに座ったりソファーに座ったりを繰り返す。


・えら、あご、首周りの腫れひどく、こわばりとつっぱり感もひどい。
 昔大好きだった漫画「がきデカ」みたいだ。
 これでは人に会えない。この腫れはひくのだろうか?


6月11日   入院42日 / 緊急手術から10日   
5時半起床。4時間も寝れていない。


・頭頸、形成外科合同診察 8:30~ 毎日先頭
 今日も多くの医師に診られてものものしい。
 鼻からのファイバースコープと喉の傷の洗浄
・歯科のI先生 10:00 
 病室での診察。しゃべること、食べることについて明るい展望のお話
・緩和ケア科のW先生 14:00 
 病室での診察
 痛み止め、眠剤について 
 筆談ですが、話を聞いてもらえることだけでも気が少し楽に 


6月12日    入院43日 / 緊急手術から11日
6時起床で、寝られたのは2時過ぎ。


・頭頸、形成外科合同診察  8:30~ 先頭 
 気管切開の穴に挿入している器具カニューレを
 レティナ(挿入部分浅く、声を出せる)に交換
・再び頭頸科診察室へ 13:00~
 主治医M先生はじめ数人の医師に囲まれて
 喉の傷のあたりををかなりの時間かけて切開 不思議と痛みなかった
     ※この処置は、後の保険屋さんの書類で見ると、手術として扱われていた。
・形成外科 14:00 
 病室で足のガーゼ交換
 手術痕を初めてじっくりと見るも悲惨なことになっており、唖然とする。                            
・担当医H先生来室 19:00 
 首の感染に対処するために午後の切開の処置をしたとのこと。                                                


・シャワ(胸から下)許可され、
 看護師さんに手伝ってもらいながら使用  2週間ぶり 15:00   
 すごく気持ちよかったが、頭を早く洗いたい。限界だ。     


・トイレや診察時の移動など、ほとんどの行為への看護師のサポートなくなる。 



以上が緊急手術から 8日目以降の数日間の様子ですが、
体力の低下がひどく、
近くの物を手を伸ばして取るなどの日常のちょっとした動作もしんどくて
まだ体がふらついていました。


手術で切った部分やその周辺の強ばりやつっぱりが尋常でなく 、
起きてても、寝てても、
どんな姿勢をしてもつらくてつらくて。


呼吸は、寝ようと横になるとまだまだ辛かったですが、
少しずつましになりつつありました。  



そんなこんなのつらい術後でしたが、
救いだったのは、
術後からずっとたいした痛みがなかったことでした。


   


何かひとつくらい
いいことないとな。

緊急再手術とそれからの1週間あまり : 26

2015年6月1日~1週間あまりの頃


腹直筋からの移植再建舌が
血栓のために壊死。


そのために緊急手術では、
前回の再建に用いた組織すべてを切除し、
右足大腿外側からの皮弁(皮膚と皮下脂肪)を血管をつけて取っての再建となりました。


前回同様に、血管縫合は顕微鏡下での繊細な手術で、
実に13時間という長いものになりました。


術後のICUは1日で済みましたが、
朦朧とした状態にあってもつらかったのは痛みなどよりも、
前回同様、息苦しいことと頭を動かせないことでした。


手術は6月1日 、10時から23時までで 
ICUから重症患者用個室に戻ってきたのが3日の14時でした。 


           


手術から1週間余りは、幻聴、幻視等の幻覚に悩まされました。


昼夜を問わず、いるはずのない人の話し声や音楽が聞こえたり、
徐々に視界に霧が立ちこめ始めたかと思うと、
やがて壁に掛けてある絵画の絵が動き出したり、
壁や天井がぐにゃぐにゃと変形しだしてそしてついには回転し始める、など、、、、。
そして寝れば寝たで、
思い出すのさえつらくなるような悪夢に頻繁に苦しみました。


幻覚については以前にも書いたのですが、
素人判断ですが、
痛み止めと限られた視野というものが、
絶対に深く関わっていると思います。


ほかには、
エラあたりから肩にかけての猛烈な強ばり、
後頭部から肩や腕にかけての感覚麻痺、
音がこもったように聞こえにくいなど、
つらいことはたくさんありましたが、
中でも特にこたえたのが、
なんといっても息苦しさと首から上を動かせないことの2つで、
それらは想像を超える苦痛でした。


息苦しさは大袈裟ですが、
ある意味生死に関わる恐怖感を伴うもので、
気管切開したのどに痰が溜まると余計に息苦しさが倍増されるのです。
息苦しさは10日間ほど続き、
その逃げ場のない苦しさは特に夜の不眠をもたらし、
やがては精神面での不安定という、二重三重の苦しみとなりました。


さらには気管切開して喋れなくて、
意思疎通がうまくできないことから来るいらだちやストレスも蓄積しました。


ただ思えばそれらの期間は、
たびたびの幻覚や意識混濁した状態もあって明確な記憶に乏しく、
あとになって聞かされてみると正気とは思えない言動もあったようで、
看護師さんや妻には、苛立ったり訳の分からないことを言ったりして、
困らせたり不愉快な思いをさせただろうと思います。
すみませんでした。


とにかく、大きな手術を立て続けに受けたことで、
心身共にダメージは大きかったようです。


                                  

手術は、、、 (-_-) zzz : 25

2015年6月1日


緊急手術は
10 時開始の23 時終了。
                        
約13 時間。
5日前の手術と合わせて33 時間。
ここまで来ると、なんだか自慢だね。


でもやっぱりお仕事とはいえ、
先生や看護師さんたちは大変だったろう。
感謝してもし足りない、とはよく言いますが、
関係ないけど英語で、“Thousands of thanks” なんて表現が思い浮かぶ。 
よくもまあ、神経張り詰めてそんなにも長い時間、、、。
すごいことです。



ナマハゲ級の緊迫の急展開にもかかわらず、
今回も意識なくなるのに数秒かからず   black out  zzz
手術室に入ってからの記憶がないくらいです。
目を覚ましたらICU。
麻酔、、、おそるべし。



これから手術を予定されている方、
もしくは急きょ手術を受けないといけなくなる方も。
手術そのものはなんら恐れるに足りません!
麻酔の注射のチクリとした痛みさえ我慢すれば、
あとはもう意識も記憶もありません。。


     

                                                       加茂川河口の夕景


お医者さんを信じて、
安心して寝てればいいですからね。
心配するだけ、精神と体に悪いです。



立て続けの2度の大きな手術で思いました。
手術は、
歯医者さんの治療より
ある意味、楽だと。