笑える : 507
12月16日(土) 曇 退院して847日 / 手術から929日
宮田 珠妃さんは
お気に入りの作家のひとりだ。
彼の作品に
「わたしの旅に何をする。」
というふざけたタイトルのものがある。
懐かしいなと思って
今日、久し振りにパラパラとめくって、また吹き出してしまった。
少し長いけど、まあ読んでみて欲しい。
著者は学生時代、よくユースホステルを利用していて、
東北を旅していとときのこと。
夜の8頃、駅からの長い道を歩いてやっとの思いでユースホステルにたどりついた。
風呂に入ろうとしたら、若い女のヘルパーさんが、
8時からミーティングがあるので風呂は駄目だと言ってきた。風呂ぐらいいいじゃないかと思ったが、そこはぐっと我慢して、なら、そのミーティングが終わってからならいいですか、と聞いたところ、ミーティングは9時過ぎまでかかるから、今日はもう風呂には入れないと答えたのだった。
中 略
なだめすかしたりして粘ったが、女はそんな陳情者をミーティングルームへと強引に押しやり、そのままどこかへ消えてしまったのである。
ひどい。ひどすぎる。まるで聞き分けのない学校教師ではないか。
しかし惨事はそれだけではなかった。
仕方なくミーティングに参加すると、ギターを持った男のヘルパーが登場し、突然、
「君の行く道わあ!」
と叫んだ。
すると、部屋中が、
♬きみのおおゆくうみちわあああ。
こ、これは・・・・・。
「果てしなく遠い!」再び絶叫。
♪ はてしいいなくうとおいいい。
「だのになぜ」今度はさとすように。
♪ だのにいいい~、
なぜみんな歌っているのか。どうかしてしまったんじゃないのか、と思いつつも、
私も念のため一緒に歌った。ここで一人白けていると、落伍者としてガス室送りにされそうな身の危険を感じたのである。
そしてそのまま大きな渦に呑み込まれるように『岬めぐり』や『心の旅』なども合唱、
椅子取りゲームにも強制参加させられ、途中、女の子と手をつないで踊るようなゲームがあって、これはこれで楽しいかなと、うっかり悪魔に魂を売りそうになったりしながら、世にも恐ろしい夜は更けていった。
だがそんなことより風呂に入りたい!
魂の叫びを抑え、私はここから生きて出るために、最後まで歌って踊ったのだった。
以下続く
こんなの貰ってたの忘れてた
ヽ(^0^)ノ