tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

9年目 : 1068

4月24日(水)曇 退院して3144日 / 手術から3266日


今日、退院してから47回目のがんセンター通院日。
今日も行きの下道約50km、1時間10分の車中は、
これまで通り、験担ぎではないけれど「グレゴリオ聖歌」が厳かに流れる。


血液検査、上部内視鏡、頸部~胸部造影CTといった検査後、
歯科と頭頸科の診察。
午前8時過ぎに到着し、
会計を終えたのが14時半。
検査のため朝昼抜きの体にはややこたえたが、
検査、診察結果にまったく問題なく、
疲れも吹っ飛ぶというものだ。


それと、検査結果と同じくらい嬉しかったことがあった。
9年前の退院以来、
入院時にお世話になった先生方が次々と異動され、
通院の度にほんとうに心細くさみしい思いをしていたのだけれど、
今日の頭頸科の担当医が、
入院時にお世話になった女医で、これからも自分の担当になるとのこと。
開口一番、お茶目に「出戻ってきました」と。
9年も前の one of them である自分のことをとても覚えていてくれ、
診察も冗談が飛び交う和やかで明るいものとなった。


9年経ってもまた半年後の10月に、
胸部X線やエコー、そしてMRIなど諸検査がある。
しかしあと1年なんともなく10年無事生き延びれば、
長かった経過観察もようやく無罪放免となるだろうか。


経過観察が終われば、
がん罹患者も、新たな保険に入れるのかな。


 

重ね重ねて : 1067

4月22日(月)曇 退院して3182日 / 手術から3264日


「恥の多い生涯を送って来ました」
太宰の人間失格の中のあまりにも知られた一文。
ことあるごとに、
その一文が我がことのように頭の中を駆け巡る。


これまでの我が人生、
恥に恥を上塗りするような日々の積み重ねであった。
記憶が甦る度に、
思わず身もだえし、黒歴史として封印したくなる過ちや恥も多い。



けれどね、
もうこの歳になれば、
もうそんなことに囚われなくていいのかなとも。
人様にたいして迷惑かけることなくここまで来れば、
多少の過ちや恥も帳消しということで。


孔子だか誰だかも仰っている。
「恥を知るは勇に近し」
この教えに大いに力を得て、
明日からも力強く明るく前向きに歩んでいきたい。



けどなあ、
また性懲りもなく
恥を塗り重ねてゆくのだろうなあ、、、。


    

暇にまかせて : 1066

4月12日(金)曇 退院して3172日 / 手術から3254日


薄桃の花びらが散り急ぐように風に舞う。
散りゆく姿さえもこんなに愛でられる花を他に知らない。


朝方は少し冷え込むものの、
お日様が昇ると既に初夏を思わせるような陽気だ。
先日は車中では暑くて冷房を効かせた。



山中の観光施設でのお仕事は月に半分ほどで、
残り半分は呑気に好き勝手やっている。
だが、軍資金が潤沢にあるわけでもなく、
おうちで大人しく過ごすことも多い。
そんな訳で、最近は趣味のソロギターに少し時間を注いでいる。


この2週間ほどで新しくレパートリーに加わったのが、
“ 竹田の子守歌 ”  と  “ What a wonderful world ”
の2曲。
かなり以前から弾きたかったのだけれど、
やっと自分の技量と見合うアレンジのスコアーに出会った。
ここかから、「弾ける」から「聞かせられる」レベルまでもっていくのが
これまた難しい。


あと1曲、以前からどうしても取り組んでみたいと思っている曲がある。
それは、
「舟唄」
八代亜紀さんが亡くなられたその時から、
その思いは漠然としたものから、明確なものとなった。


ただ、とても難しい。


 しみじみ飲めば しみじみと
        思い出だけが 行き過ぎる


しみじみと染みる歌だね。