tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

肉汁の思い出 : 714

9月19日(水)晴曇  退院して1125日 / 手術から1207日


Fish can be classified into two types,
fish with white flesh and fish with red flesh,
and pufferfish belongs to the category with white flesh.


たまたま目にした英文を読むともなく眺めていて、
その中のある単語によって
もうかれこれ30年は経とうかという昔のある光景が唐突に蘇り、
思わず声を出して笑ってしまった。



紅葉にはまだ少し早い奈良でのこと。
東大寺か法隆寺のどちらかの門前のお土産屋さんだったと思うが、
今となっては定かではない。
その店先で40年配の外国人の男女がある一点を見据えて
顔を真っ赤にして笑っている。
腹も抱えて笑っている。


あんまり楽しそうなので気になり彼らのそばに立ちその視線の先を追う。
で、次の瞬間、自分もいっしょに爆笑である。


段ボールらしきものにマジックで
 Flesh Juice
と書いてある。


お店の方は
「新鮮なジュース」の意味で fresh と書きたかったのは明らかだが、
間違った単語が悪かった。


これでは「肉汁」だ。



そんなこんなで
英単語1個のおかげで30年も昔にタイムスリップができた。


当時は若くて好きなことやってたけど、
なんか満たされてなくて常に鬱屈したものを抱え込んでたな。
でもそんな鬱々とした時代でさえ今では懐かしい。


どーでもいい肉汁のお話。

動揺する : 713

9月18日(火)晴曇  退院して1124日 / 手術から1206日


もうすぐ秋のお彼岸というこの頃に、
この赤色が目に飛び込むと
毎年決まって思わずはっとさせられる。
軽い動揺を覚えると言った方がいいかもしれない。


それはその名前があの世を連想させるからか、
それともその毒々しいまでの妖しい姿故か。


事実、この花には、
花、葉、茎、根とすべての場所に毒があるという。


           


「曼珠沙華」は梵語であるサンスクリット語で
「天界の花」という意味であることを先日何かで読んだ。


ということは、
三途の川の向こう岸には、
この妖しくもおどろおどろしい花が辺り一面に咲き乱れていると、、、。


うーん、映像としてなかなか気味のいいもんではないな。


だがこの先誰もがその川を渡ることは必定なのだから、
負のイメージを少しずつ払拭して
その日に備えておかなければならない。


そこで何かイメージアップにつながることはないかと花言葉を見てみると、
赤い彼岸花のそれは、
 情熱
 独立
 再会


「再会」というのがちょっと引っかかるが、
なかなかいいではないですか。



そういやその昔、山口百恵さんの歌に
「曼珠沙華」まんじゅしゃと読ませていた)というのがあったな。
ユーチューブで早速見てみる。


  涙にならない悲しみのある事を知ったのは つい この頃
    形にならない幸福が何故かしら重いのも そう この頃


ああ、やっぱりこれ以上ないくらい暗く重い内容だった。
わざわざ見るんじゃなかったわ (>_<)

遠くへ来たもんだ : 712

9月17日(月)晴曇  退院して1123日 / 手術から1205日


気持ちよく晴れ上がっていたというのに、
お昼過ぎからあっという間に灰色の雲が広がり始めた。
雲に隠れてしまった山の中はきっと雨だ。


       


昨夜は職場の飲み会。
この仕事にはもうほとほとうんざりしているのだけれど、
たまに参加する飲み会はいいもんだと思った。
ただ、酒が入るとやたら声を張り上げる奴がいて
思わずうるさいと何度か言いそうになったが、
そこは分別あるナイスミドルとしては我慢し、
おとなの酒を存分に見せつけてやった。



今朝は鯨飲した割に二日酔いもない。
酒に関してはまだまだ若い連中には負けてないぞと、
変なところで強がる自分が年甲斐なく情けない。


そして
今日は特別にお年寄りを敬う日。
少ない親類を見渡してみても、
敬うべき人はほとんど鬼籍に入ってしまっている。
さみしいもんだな。


でいつの間にやら5,6年後には
自分自身がお祝いされるほどに齢を重ねちまっている。


カブトムシつかまえようと林の中駆け回ってた頃と、
基本的な精神構造はほとんど変わっちゃいないというのに、、、。


ああ、
思えば遠くへ来たもんだ。