tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

ありがとう : 806

4月8日(月)晴  退院して1326日 / 手術から1408日


次男プーが
先ほど虹の橋をわたった。



どこへ行くのもいっしょだった。


つらいとき、苦しいとき
いつも心の支えとなり、癒し続けてくれた。


実際のところ、実の息子以上にかわいがり、
手をかけたかもしれない。



我が家でよかったのかなあ。
お父さんは、
おまえがいちばんだったよ。


いい想い出と、感謝しかないよ。
ありがとう。


一生忘れないからな。


         


でも、明日から、
仕事終わって家に帰ってきても
おまえのしっぽちぎれんばかりに必死で喜ぶお出迎えがないなんて、
ちょっと考えられないな。


胸が押し潰されそうなくらいつらいよ。


橋のたもとで
待っててくれよ。
必ずまた会おうな。



プー、
ありがとう。

四度目の薄桃 : 805

4月5日(金)晴後曇  退院して1323日 / 手術から1405日


終日西風強く、
間もなくその盛りを迎えようとしている薄桃の花びらが
激しく舞い散る。



術後4度目のこの季節を、
何事もなく迎えることができた。



4年前のこの頃、
総合病院の口腔外科を「ある覚悟」をもって受診した。
もう来年の桜はないのだろうなと、
途中、満開の桜の下に車を停め、ぼんやりとたたずんだ。
その時の車中も確か、グレゴリオ聖歌が流れていたはずだ、


 


その数日前には、
今生最後の贅沢を味わおうと
とびきり上等な鮨屋のカウンターに座り、
日本酒と寿司で「最後の晩餐」を気取った。
だが実際は、その頃はもう舌が痛くて食事がままならなくなっていた。



初診の口腔外科の医師が口内を診てすぐに発した言葉、
「舌に悪いものができています」
は予想通りで、自分の中では既定事実そのものであった。


がんセンターへの紹介状を書きますねという
淡々とした医師の言葉が
どこか遠くから聞こえてくる意味のなさない音の羅列のようで、
置かれた状況が何か自分とは無関係のようで、、、。



そのひと月半後に2度、立て続けに大きな手術を受け、
そしていろいろあっての4年後の今。


風に舞う薄桃の花びらを、
元気に眺めていますよ。


ありがとうございます。

少しだけ : 804

4月1日(月)晴時々曇  退院して1319日 / 手術から1401日


少し寒の戻り。
朝車のエンジンをかけると、外気温計は5℃を示していた。
明日も冷え込むようで、
この分だと桜が少し長く持ちそうだ。



新年度を迎えた職場。
今年度の配置や主任等の案が示されたが、
もうため息つきながら下を向くしかなかった。


がん罹患者であるということに甘えるつもりはないけれど、
それにしてもだ。
最後の最後までぼろぞうきんのようになるまでこき使うつもりかと、
思わず心の中で毒づく。


癌患者や障害者の就労ということが叫ばれるようになってもう久しいが、
この職場にはそんな配慮も何も感じられない。
情けない職場だ。


だが、
かといってここで腐ってたんじゃ周りに迷惑かかる。
自分自身も情けない。
だから、
やってやろうじゃないか。
ほんの少しだけ。


後ろ指を指されない程度には、がんばる。


よし、
しかたないけど、今夜も新年度に乾杯せねばなるまい。