光明 絶望から希望へ : 11
2015年4月22日
ステージⅣの告知を受けたものの、
「まだ打つ手はある」
というM先生のその一言に、
妻は目を輝かし、
そして自分は余命宣告の呪縛から、
本当に久しぶりに逃れることができたのだった。
手術やそれに伴う後遺症のこと、
そして長い入院になることなど具体的な話があり、
これは大変なことになるなあと漠然と驚き、恐れもしたが、
それでも治療によって
まだ生き長らえることができることの喜びの方が大きかった。
別室に移ってからの入院手続きの間も、
告知の際に妻を抱きしめ慰めてくれた看護師さんが、
我々を優しく笑顔で励ましてくれ、
明るい展望が開けそうで
思わず涙がひと筋ふた筋頬をつたって流れた。
人の優しさに触れ涙するなんてこと、
生まれて初めてじゃないかな。
逆に、自分の存在や言動が、他人に安堵の涙させたことなんて
これまでの人生で一度たりともなかったことに思いが至る。
さっそく2日後の24日に入院し、
4月28日 胃ろう造設術
5月10~16日 一時帰宅
5月17日 再入院
5月26日 手術
ということが決まった。