今年もまた : 1053
7月3日(月)曇 退院して2888日 / 手術から2970日
心の原風景ともいうべき美しい情景を、
今年も目の前にしている。
今にも降り出しそうな曇天の下、
田舎に在ることのしあわせを覚えながら
畦道にまんじりと立つ。
水田を吹き渡る風に
田植えされてほどない苗と背後の竹林がいっせいに揺らめく。
少し湿り気を帯びているがひんやりと心地よい。
先日田植えとともに鴨のつがいがやってきて、
ぷかぷかと水面に浮かんでいた。
そのうち数羽の雛もその愛らしい姿を見せてくれるだろう。
水を張ったのどかな田んぼを前景に、
遠く山並みも一雨ごとにその色を濃くしてゆく。
夕刻西からの斜光線を浴びて微かに赤みを帯びて輝く山容は、
もはや神々しい。
都会では失われつつある季節ごとの移り変わりの風情が
ここではふんだんに当たり前のこととして存在している。
田舎にあって、
さらに郷愁を味わうことの贅沢さよ。