丸6年 : 989
5月26日 (水) 曇 退院して2107日 / 手術から2189日
観測史上記録的な早さで梅雨入りした途端、
各地で災害が心配されるような猛烈な降雨。
すでに亜熱帯化したような日本。
一昔前の季節感やらそれに伴う風情なんてものは、
もうかんたんに望むべくもないのかもしれない。
口の中から、「悪いモノ」を取り除いた最初の手術から、
今日で丸6年。
4ヶ月もの入院生活の悲喜こもごもも、
今となってはなんだか懐かしささえ覚えるから不思議だ。
命と引き替えに失ったものはあまりにも大きく、
それ故に失意と落胆の日々があった。
再発転移の恐怖に、
震えおののく日々もあった。
だが、そういった日々を乗り越えて、
今なお生かされているということは、結局、運がよかったということなのだろう。
がんになったことは、今考えれば必然だったのかもしれない。
けれど、その後大過なく過ごせていることは、偶然と言うほかない。
偶然生かされたことで、
いくつかの cancer gift とも言えるものを得ることが出来た。
そしてほんの少しだけ、人として進歩できたようにも思う。
それらは、
病まなければ
決して手に入れることの出来なかったこと。
病まなければ
聞き得ない染み入る慰めの言葉と
病まなければ
見ることのできない希望の光。
悪いことばかりではなかったと
しみじみと思う今日この頃。