春遠からじ : 1015
2月21日(月)曇時々晴 退院して2396日 / 手術から2478日
山裾にまで雪が降りてきている。
その神々しくも寒々とした景色に、思わず身震いする。
風も吹きすさび竹林がいっせいに大きく揺らめく。
温暖なこの地域にはふさわしくないような光景が目の前に広がっている。
先週金曜日が、
1年と7ヶ月勤めてきた酒造会社でのアルバイト最終日だった。
時給の安さには目をつぶり、
もうこれが終の労働の場だと心に決めて働いてきただけに、
辞めるとなると色々と葛藤があり、
雇っていただいた恩義なども思うと心苦しく寂しくもあった。
それにしても、自分のような者に新たな働く場を紹介してくださる方がいることに、
人とつながることの不思議と因果を思う。
とにかく、ありがたいことだ。
新しい職場へはあさって水曜から通い始める。
経験したことのない仕事で不安だらけで気が重いが、
日々の生活には緊張感も必要なんだと自分を納得させる。
環境の変化に期待感をもって臨めるほどの
したたかさがあればいいのだけれど。
5月で術後丸7年。
その間ずっと元気でうまい酒を吞み続けられてきたことを、
これ以上の幸運はないと肝に銘じなければならない。
こうして新たに働く場を与えられたことも健康であればこそ。
身体上の多少の不便不都合にももう慣れた。
まだまだ当分は
この幸運を享受していきたいものだ。
冷え冷えとした景色の中にも
既にこのような息吹も。
春遠からじ。