５月21日 （木） 曇時々晴　 退院して1735日 / 手術から1817日

山の緑も拙宅の緑も
一雨ごとに濃くその深さをましていく。

毎年春から初夏にかけて、
それら目映い緑色の移ろいを目にするにつけても
田舎に生まれ、そして今なおそこに在ることの幸運を思わずにいられない。

嗚呼、この美しくも雄大な様はどうだ。
精神が浄化されそうな錯角にさえ陥りそうだ。

啄木は「一握の砂」の中で

 「ふるさとの山に向かひて言うことなし　
　　　　　　ふるさとの山はありがたきかな」

と、故郷の岩木山を歌ったが、
この歳になり
まさにその心境がまざまざと染み入る。

その日の到来を励みに、
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできた。

口の中から悪いモノを取り除いた最初の手術から1825日。
5年寛解まで
ついにあと片手で足りるところまでやってきた。

腰の不調はあるけれど

ふるさとの山に向かいて言うことなし