あの頃 : 1002
8月17日 (火)雨 退院して2208日 / 手術から2290日
よく降る。
梅雨がその終焉を迎える時のような雨が毎日降り続く。
瀬戸内海沿いの我が地方では幸いにたいした影響はないが、
日本各地ではまたまた記録的大雨による災害だ。
ただでさえコロナウィルスで皆困り切っているというのに。
今週末までは降り止まぬそうな。
更なる惨禍を招かぬことを願うしかない。
もう6年も前のことになるのに、
4ヶ月に及んだ入院生活の日々を、今でも頻繁に思う。
当時の今頃はどんなだったかと、
パソコンで書いている記録にたまに目を通す。
そして6年前の今日。
担当医から、夢にまで見た「退院」の目処を
初めてしかも唐突に知らされた日。
飛び上がるほど嬉しかったが、
しかしそれはすぐに大きな不安に取って代わったことを覚えている。
ろくに喋れない。
まともに食べられない。
人前に出ることを躊躇するくらいに腫れた顔。
切開した喉の気管孔は閉鎖できたものの、残されたままの胃ろう。
そして、再発転移という大きな不安。
自宅に戻ることを心から願っていたはずなのに、
引き続きこの場所にとどまっていたいと望むなんて。
それほどまでに医師や看護師の庇護を失うことが不安でならなかった。
あれから6年。
そんな揺れる心境と底なしの不安の日々を
今、懐かしくもいとおしいものとして俯瞰できる自分がいる。