今度ばかりは : 1009
10月28日 (木)晴 退院して2280日 / 手術から2362日
ようやく金木犀の甘い香りが鼻腔をくすぐるようになった。
隣家の大木もちらほらとみかん色の小さな花をつけ始め、
数日後には近隣一帯が心地よい甘い香りに満たされるだろう。
因みに、金木犀は特に夜間に強く香る。
近くになくてもどこからともなくその甘い香りが漂ってくるから不思議だ。
なにはともあれ、
こんなに遅い時期の開花は記憶にない。
これも温暖化の影響なのか。
秋もめっきり深まり、
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり
秋の夜長、
ひとり静かに酒を飲み、
来し方行く末を思い人生を考える。
などと若山牧水を気取ってみたいと思うのだけれど、
残念、今日は断酒。
近いうちに海辺へソロキャンプへ行くと決めている。
そこでは、打ち寄せる波の音をBGMに焚き火を見つめながらの鯨飲。
そして人生についてあれこれ沈思黙考などしてみたい、
とソロキャンプの度にいつも思うのだけど、
実際には酔っ払ってそんな高尚なことは
かつてできたためしがない。
残念。
だが、齢を重ねて思慮深くなってきたことでもあるし、
今度ばかりは人生について深く向き合えるような気がするが、
それも気のせいだろうか。