tongue twister のブログ

2015年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

重ね重ねて : 1067

4月22日(月)曇 退院して3182日 / 手術から3264日


「恥の多い生涯を送って来ました」
太宰の人間失格の中のあまりにも知られた一文。
ことあるごとに、
その一文が我がことのように頭の中を駆け巡る。


これまでの我が人生、
恥に恥を上塗りするような日々の積み重ねだった。
記憶が甦る度に、
思わず身もだえし、黒歴史として封印したくなる過ちや恥も多い。



けれどね、
もうこの歳になれば、
もうそんなことに囚われなくていいのかなとも。
人様にたいして迷惑かけることなくここまで来れば、
多少の過ちや恥も帳消しということで。


孔子だか誰だかも仰っている。
「恥を知るは勇に近し」
この教えに大いに力を得て、
明日からも力強く明るく前向きに歩んでいきたい。



けどなあ、
また性懲りもなく
恥を塗り重ねてゆくのだろうなあ、、、。


    

暇にまかせて : 1066

4月12日(金)曇 退院して3172日 / 手術から3254日


薄桃の花びらが散り急ぐように風に舞う。
散りゆく姿さえもこんなに愛でられる花を他に知らない。


朝方は少し冷え込むものの、
お日様が昇ると既に初夏を思わせるような陽気だ。
先日は車中では暑くて冷房を効かせた。



山中の観光施設でのお仕事は月に半分ほどで、
残り半分は呑気に好き勝手やっている。
だが、軍資金が潤沢にあるわけでもなく、
おうちで大人しく過ごすことも多い。
そんな訳で、最近は趣味のソロギターに少し時間を注いでいる。


この2週間ほどで新しくレパートリーに加わったのが、
“ 竹田の子守歌 ”  と  “ What a wonderful world ”
の2曲。
かなり以前から弾きたかったのだけれど、
やっと自分の技量と見合うアレンジのスコアーに出会った。
ここかから、「弾ける」から「聞かせられる」レベルまでもっていくのが
これまた難しい。


あと1曲、以前からどうしても取り組んでみたいと思っている曲がある。
それは、
「舟唄」
八代亜紀さんが亡くなられたその時から、
その思いは漠然としたものから、明確なものとなった。


ただ、とても難しい。


 しみじみ飲めば しみじみと
        思い出だけが 行き過ぎる


しみじみと染みる歌だね。


期待しつつ前のめりに : 1065

4月8日(月)曇 退院して3168日 / 手術から3250日


光は日、陰は月。
光陰矢のごとしとはよく言うけれど、
まったくその通りだ。


今日はプー、5度目の命日。
いまだにともに過ごした日々のさまざまを、
思い起こさない日はない。
振り返ってみれば、
奴が我が家にいた10数年という年月が、
自分にとっていろんな意味で人生の絶頂期であったかもしれない。



山中の観光施設で小遣い稼ぎを始めてもう少しで丸1年。
ほんとうに全国いろんな所から人がやってくる。
そんな中でも、ついつい高齢の一人旅の方に目が行ってしまう。
そしてそこから刺激を与えてもらっている。
自分もまだまだ負けてられんなと。


人生も終盤に差し掛かれば、
誰にだっていろんな予期せぬことが起こる。
だが、それが普通なんだと。


観光に訪れている老境に差し掛かった一人旅の方々を見ては、
ああ、この方の人生においても禍福いろいろあったのだろうな。
でもこうやって残りの日々を謳歌しようと遥か旅に出ている。
などと、失礼ながら好き勝手に妄想を逞しくしている。



大病をしてよかったとは言わないが、
大病を得て思わぬいいこともたくさんあった。
人生塞翁が馬とも言うではないか。


いつまでも
期待することを止めずに
前のめりな人生を歩みたいと思う。