tongue twister のブログ

平成27年5月26日、舌癌(StageⅣa)の手術(舌亜全摘・両リンパ節郭清・腹直筋皮弁による再建術)を受けました。ところが数日後の6月1日朝の診察で、まったくの突然に緊急再手術決定。なんと、最初の手術20時間、再手術13時間、計33時間(笑)(゜o゜;;

心身共に回復してきた今、それらの日々を振り返り、今度は私が誰かを励ますことができれば、との思いでブログ初挑戦です。 

三千日 : 1056

10月24日(水)晴 退院して3001日 / 手術から3083日


もう10月も終えようというのに、
日中戸外でぞごぞと動いているとすぐに汗ばんでしまう。
車に乗るにもエアコンが要る。
暖かいでなく暑い。


その影響か、山の木々の色づきが遅れ気味のようだ。
猛暑に大雨。そして想定外の災害。
年々自然体系の有り様が一昔前と変わりつつあることが実感され、
10年20年後を思うとなにやらおそろしい。



今日は、退院してから46回目のがんセンター通院日だった。
採血の後、胸部レントゲン、頸部造影MRI、甲状腺・唾液腺エコーと続き、
それから皮膚科、歯科口腔外科、頭頸科の診察。
下道を走って8時半に病院へ着き、全て終わったのが2時半。
ややうんざりしたが、検査結果すべて異常なくヨカッタヨカッタ。
来年4月のCTと上部内視鏡の予約を入れて帰宅の途に就いた。



かなり以前から、
手術から3千日を過ぎればもうほぼ安心してよいのではないかと、
何の根拠もないが自分なりに漠然と考えていた。
5年寛解とはよく言われるが、それから経過すること更に3年だ。
再発転移の心配よりも、年齢的に他の病気の方が気がかりになってきた。



心身ともに苦しかった時に自身が救われたように、
同病で苦しんでおられる方々への、
何らかの励ましと情報の提供になればと思い立って始めたこのブログ。
けれど術後8年半が過ぎ、舌がんに関して書くことがほとんどなくなってきた。
病に関して語るべきことがないのは自分的には幸せなことなのだが、
その一方で、自分がこの舌がんブログ村にとどまり続けることの
「存在理由」が見当たらなくなってきた。
今日も病院からの帰路、そのことを繰り返し思いながらハンドルを握っていた。


このようなとりとめのない思いつきのような独り言を、
恥ずかしげもなく気楽に投稿できるところへ鞍替えすべきなのかと、
術後3000日を越えた今、
ぽつねんとぼんやり思うそこはかとなくさびしい秋の黄昏時。


                       

切実に思う秋 : 1055

10月10日(火)曇時々晴 退院して2987日 / 手術から3069日


神無月を迎えた途端すっかり秋めいて、
日差しの強さはまだ残るものの、空高く空気が爽やかだ。
朝晩はめっきりと肌寒く、夏布団の下にタオルケットを重ねる。


彼岸花が儚くもその短い開花の時を終え、
黄金色に色づいた稲穂がたわわに実り、
傍目に見る者さえも心はずむ待ちに待った収穫の日を間もなく迎える。
今朝、一瞬ほのかに甘く金木犀が匂ったと感じたが、気のせいだったか。


老若男女が狂喜乱舞する秋祭りも近い。
五穀豊穣、豊年満作。
一病息災。



人生長く生きていると、
不安 不満 不具合いろいろあるけれど、
取り敢えず、今日も酒が旨い。
日々、そこいらじゅうにたくさん転がっているであろう
小さな幸せに気づけますように。


足るを知りたいと、
切実に思うこの頃。
  

                            

こうしてはいられない : 1054

8月21日(月)晴後曇 退院して2937日 / 手術から3019日


昔はお盆過ぎればてきめんに朝晩涼しくなって、
夕方になると赤とんぼが風に舞い
しみじみと秋の気配を感じたものだが、
近頃はいつまでも酷暑が続く。
風情感じられる昔の季節感などはもう望むべくもないのか、
などと沸騰気味の頭でぼんやり考えていたら、
昨日の夕方、
唐突に秋がやってきた。
日中はまだまだ暴力的な暑さだけれど、
いきなり秋の夕焼けだ。


気づかぬうちに、
自然は確実に移ろいつつあるのだなと、
突然目の前に広がる秋の風景を眺めていたら、
なんだか少しうれしくなった。




涼しくなったら、
また一人旅に出かけようと思う。
琵琶湖周辺の風情あふれる町並みか、
それとも京都北部の少し鄙びた海沿いの町々か。


初めての地を訪れ、
我が人生来し方を眺めたり
そしてこれからについてあれこれ思い描いたりしながら
そぞろ歩いてみたい。
そして夜は当然地元の居酒屋だ。


今そんな欲求に
ふつふつと満たされて、
いてもたってもいられないでいる。